ramenhenzinのブログ

鶏 豚 魚介 カエシ 啜り命

「塩ラーメン」麺屋 齋虎

2018年10月13日 PM14時過ぎ訪問

 

久しぶりの「麺屋 齋虎」

 

加美町出身の店主が加美町産の野菜等を使用し、地域に根付いたバランス系ラーメンを提供するお店

スープに豚と魚介を使わず、鶏と香味野菜をブレンドしたスープ
確かに加美町の農業の特質をラーメンで表現したとも言える鶏ベースのバランス系の一杯

久しぶりに食べる味はどう感じるのだろうか…

鶏出汁をより直接的に味わえる塩を発券

 


塩ラーメン650円 大盛100円

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10分程で着丼です
大きめの高台丼からは湯気が立ち昇ります
アツアツナミナミスープです
いいですねー
バランス系はこうでなくてはと腹ヘリマックスです

 

大振りの国産若鶏モモ肉のチャーシューが3枚
加美町産小口切りの青葱が大量
大きめの海苔
メンマが大量

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スープを掬い啜ります
優しい塩ダレです
塩角を全く感じません
かと言って、当然薄いわけではありません
しっかりとした鶏出汁を感じます
鶏出汁は口の中で広がって行くような包容力のある出汁感です

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何回かスープを啜ります
鶏出汁に厚みがあるというより、口の中で徐々に徐々に広がりを魅せて、旨味・香りを表現してくる鶏出汁です
この広がり方は、香味野菜と鶏出汁の絶妙なバランス感から来るものなのではないか?と段々と気づいて来ます


鶏出汁の寸胴に葱と生姜で臭み消しをするとは、バランス系ラーメンにおいて、すごく普通で基本的な事ですが、これが臭み消し効果のみならず、香味野菜が鶏出汁を優しく包み込み鶏の旨味の可能性を拡張させています
これは昆布や貝などの魚介では起き得ない現象、魚介だと味が一つ増えて、味がより難解になってしまう、であれば豚骨の旨味も足して…となりただのバランス系ラーメンとなってしまうでしょう

香味野菜が鶏出汁に拡張性という特質を持たせている気がします
香味野菜が鶏出汁を際立たせる
もちろん塩ダレも鶏出汁を際立たせる為に、味醂や調味料とブレンドし味わいを円くし、あえて塩角を無くしています

 

魚介不使用、香味野菜と鶏出汁のバランスが絶妙な鶏出汁全面型塩ラーメン

 

一言で言ってしまえばこれだと思います

鶏ガラ・皮・モミジと加美町産のネギ等の香味野菜を寸胴で一緒炊き上げ
塩ダレは鶏を際立たす為に、塩に味醂等の調味料をブレンド、おそらくココに若干の化調が合わさっていると推測されます

 

鶏は地鶏や銘柄鶏等に特にこだわりはなく「普通の鶏」、しかし「普通の鶏」とは思えない鶏の香りと旨味です

おそらくその理由は
鶏以外の食材、つまりは香味野菜を使った鶏の旨味の味合わせ方が、非常に上手なのだろうと思う

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特注麺
以前とは麺が変わってます
以前はクチナシ色素がもっと配合された黄色味がかった麺でした
それがシルキーな麺に変わってます


スープから麺を持ち上げ啜ると、吸い込みと同時にツルツルツルツル口の中に滑らかに滑り込みます

色合いがシルキー啜りが滑らか、まるで「麺匠 独眼流」の自家製麺を思い起こさせるような啜りです
そして、かんすい臭さが無く食感は噛み切る時、サクッと潔い感じではなく歯に吸い付くようにムチっとします

 

舌触りと食感は「麺匠 独眼流」とは違いますね

「麺匠 独眼流」の自家製麺の噛み切り感は、シコッと軽く優しく、そして余韻を残し官能的
「麺屋 齋虎」の特注麺の噛み切り感は、ムチっと纏わりつくようなワンクッションがあり、靡き切れる感じです

 

切り刃20番手、加水率38%程でしょうか、中細角ストレート麺
「麺匠 独眼流」のような水分にプラスして空気までもしっかり含んだフンワリ感は無い為、加水率はもうちょっと低いかもしれません

 

しかし
美味しい麺ですし、この透明感のあるスープにピッタリの麺です
スープを受け止める麺として優秀です

 

 

中盤以降、麺の小麦がスープに溶け込んで、スープの味が変わるという事もないようです

中盤から後半までも、スープの味は一定を保ってます

この点も素晴らしいです

 

国産の鶏もも肉を使ったチャーシュー
スープを仕込む時にスープに1時間入れて、特製の醤油ダレに1時間漬け込んだもの
火入れが適度で、柔らかく、味付けもほんのり醤油味
以前は、若干臭みが残っており結構固かったような印象がありました
今回は、臭みも消えてますし親鶏のようなコリコリ食感でもありません
美味に進化しました

 

メンマ
コリコリ食感、醤油味醂酒が効いてて、塩スープにおいて一変の存在

 

そして
小口切りの青葱が香り高いですね
スープに香味野菜を上手く使っている為、普通は埋もれてしまう葱の香りも、このスープにおいてはより一層香り高く際立ってる感じです

 

約300グラム程ある大盛の麺も、最後まで伸びる事は無く、スープまで完飲

ほんのちょっぴり塩ダレに配合されてるであろう化調が若干気になったが、それでもだいぶ優秀な一杯

 

「水、鶏、カエシ」に煮干などの魚介をブレンドし、「バランス系中華そば」として提供する場合はあっても、「水、鶏、カエシ」に香味野菜を表情豊かに上手く使い「バランス系の鶏全面型ラーメン」とする発想が、意外に新鮮でした

前者は「鶏そば」の延長線上にある「バランス系中華そば」という発想ですが、後者の場合は「鶏そば」起因ではない為、店主さんはデフォルトで後者の「鶏出汁ラーメン」という発想を持ち合わせていただけなのかもしれない

 

まあ兎にも角にも美味しい一杯でしたし、以前よりもだいぶ洗練された一杯へと進化している印象です
「水、鶏のみのスープ」に醤油ダレや塩ダレの「鶏そば」を知っているからこそ、面白かった一杯でもあります

ごちそうさまでした
https://youtu.be/DY37kaUw7Vg
Youtube動画です