ramenhenzinのブログ

鶏 豚 魚介 カエシ 啜り命

「鶏そば〜生醤油の香り〜」らぁめんサンド

2018年

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2018年7月16日 昼 訪問

「らぁめんサンド」
前々から盛岡で一番気になっていたお店

「麺屋十郎兵衛盛岡南店」を午前9時40分頃出発し、11時頃らぁめんサンドへ向かう事に・・・やはり既にもう並んでる先客が居ます
自分が21人目でした
その後も開店が近づくにつれ客がぽつりぽつりと増えていきます
流石の人気店ですなと思いながら、外に掲示された作品素材が記載された貼り紙を見てました
事細かく書かれてます

店内入ってからメニュー考えたら、あれもこれもとなり中途半端な気持ちで食べることになると思い最初から「鶏そば〜生醤油の香り〜」と決めてました

15分くらいで入店
入口前の食券機で「鶏そば~生醤油の香り~」750円を購入
店内で15分程待っている間、店主のらぁめん作りをずっと観察してました
完全なるオープンキッチン!ほぼ全部丸見えです
らぁめんを作っていく流れが素晴らしく丁寧です
思わず魅入ってしまいます

着席
カウンターの中央辺りのらぁめんを作る店主の目の前に座れました
先日購入したという「有田焼」の鉢で食べれるのか?と期待を膨らませながら、店主の動きをずっと観察

まず
予め注文内容を知っているスタッフさんが注文に合った鉢を用意し、鉢に麺茹で用のお湯が投入され、鉢を温めます
鉢がお湯で温まった後、次に店主の前に鉢が並べられ、注文をチェックし一杯一杯が作られていきます

麺茹でが独特(支那そばや東松島も同じ)深底の麺デポに麺が投入され茹で上がりの時間と同時に平ザルに移され、湯切りが始まります
湯切り後は平ザルを垂直に傾け一本一本流し込むように麺が鉢に落とされます
麺上げから鉢に麺が投入される流れのあまりの美しさに思わず「うおっ」と小さく頷いてしまった
緊張感を持って魅入る、このプロセスも味の一つ
これだけ丁寧かつ誠実な作り方で提供される一杯はどんな味なんだろうか?と期待に胸を膨らませるのも味の一つ

「鶏そば」の一杯が出来るまでの流れは
鶏油→醤油ダレ→鶏スープ→麺→チャーシュー2枚盛り付け、穂先メンマ1本、三つ葉という順番で添えられます→最後に鶏油を回しかけます

醤油と塩で使い分けられる「有田焼」の鉢が「お待たせしました」と自分の前に提供されました


鶏そば~生醤油の香り~750円


おーーーー何て美しい鉢なんだ
凛として荘厳なる鉢の佇まいに心奪われそうになる

有田焼の鉢→独特の土質からくる遠赤外線効果でスープが円やかになり美味しくなるとの事。有田焼のラーメン鉢という事はたぶん佐野実氏×有田窯元が共同開発した鉢だと思います。

それに加えて、盛付が芸術品のようだよーーー
琥珀色のスープ、煌びやかな鶏油、麺流とでも例えたくなる綺麗に並べられた麺の流れ
鉢からは鶏の上品で贅沢な香りが漂い、手を団扇のようにし何度も嗅ぎ込みます(よく考えると阿保だよな団扇のように・・・って(笑)でも僕は死にません。らーめん変人ですから・・・突然わけがわからない事すいません^^;)
しかし麺流の綺麗な事綺麗な事^^;何という美しい有様・・・


スープ
水と鶏と醤油の旨味のあまりの肌理細やかさに溜め息が零れました(笑)
まずすべての完全ベースの水が美味しい(πウォーター。水の粒子が細かく繊細な出汁が引ける)
水の粒子が細かいと
大雑把で漠然とした味認識の視点で視ても、細かく出汁を引けているんだなとわかってしまう事に驚嘆
そして
ジトーッと切れる事が無い伸びやかな鶏の旨味がずっと余韻しています
やがてすぐ鶏と生醤油中心のキリッとした醤油ダレのカエシが極上に合流バランスし合います
改めて、味覚がリセットされるような美味しさです

初食で想像の範疇での話になりますが、恐らく以前よりバランス系にシフトしたのではないか?と想定してしまいます
というのも
これだけの食材とこれだけの腕があれば、素材其々の味を相乗作用の名の下にもっとわかりやすく味合わせる事が出来るはずだからです
それがこれだけの相対的なバランスの波で味合わせてくるとは・・・そう思わざるを得ません
恐らく醤油を強よめにするか?一歩下げるか?の部分で、鶏の味表情が相乗してるのか?相対してるのか?と変わると思われます

鶏→秋田県比内地鶏の丸鶏、青森シャモロックのガラ、住田町清流の丸鶏
醤油ダレ→岩手、群馬、兵庫などの濃口、薄口の生醤油、たまり醤油、再仕込み醤油の計6種類をブレンド

更に一度食べただけでレビューするには表現が明らかに乏しくなるような一杯
作り続ける日々の中で創意工夫されて行く味の印象だから、一度で評価出来る器の一杯ではない感じもした

ところで
この「らぁめんサンド」の引き算の「鶏そば」は
個人的にすぐに「麺匠独眼流」が脳裏に浮かびました(笑)
無化調の「水と鶏」、生醤油中心の醤油ダレ
使用している鶏も小麦粉もほぼ同じです
この両雄をまさか比べるように「らぁめんサンド」を食す事になるとは・・・この両雄の領域になると比べるのも億劫で恐縮になります
両雄素晴らしいですが色々と違いはあります


毎朝製麺して出来立てを提供している自家製麺
非常に綺麗に折りたたまれております
北海道産はるゆたか、北海道産春よ恋、岩手県産ねばりごし、内モンゴル産天然由来かん水を独自にブレンドしている模様
切り刃20番手、加水率38%、中加水とも定義出来ない多加水よりの中細ストレート麺、面白いのが断面が長方形です
茹で切るからこそしなやかになり、空気と水分をきちんと含んでしなやかにブレンドされてるからこそ茹で切る必要性がある麺
こういう麺は伸びる事がありません
最初から空気と水分をたっぷり含んでいるからです
表現悪いですが、最初から伸びているからです
繊細ながら屈強というと表現悪いな・・・いつまでも瑞々しい生命力に溢れ煌びやかに撓る麺とでも言いましょうか・・

さてさて、この断面が長方形の麺
平打ちと片付けてしまえば切り刃20番でもそれで終わり…(笑)
長方形だから平ザルから鉢に綺麗に落とせる
鉢の中で綺麗に盛り付けられる
長方形だから鉢の中で極綺麗に綺麗に麺流ビジュアル効果を生む
何故なら、正方形より長方形の方が長さの短い上線下線のほうに力が働く、長い横線は上下に流れるようにだけ動作する
スルスル均等に落ちやすい
つまり啜り上げる動作も然り、均等に啜り上がりやすい
面積が多い断面は向かい合うことはない
だから
長方形は綺麗に折りたたまる


啜ると麺肌のツルツル感が素晴らしくスルスルスルスル吸い込まれるような錯覚に陥ります
舌触りも滑らかでモチモチ感も若干付帯し喉越しも抜群
一本一本長い為、必然的に啜る時間が長くなり鶏の切れる事のない伸びやかな旨味も相乗し「啜るという味を味わえる麺」です
啜っている自分すら美しくなってくるようです(笑)
麺持ち上げと啜りの連続動作の美しさを生む麺に自分も美の一部として肖ってしまいました

シャキシャキ食感の穂先メンマ一本なのが良い
主役はあくまで麺とスープです
豚肩ロースの低温調理チャーシューはスープを邪魔しないように敢えて薄味に仕上げられてるが肉の生々しい味わいが良いですね
鶏ムネ肉のチャーシューはしっとりスパイシー
スープを邪魔しないように配備されつつも一品一品確かな表情があります

スープの最後の方は若干円やかになります
鶏油が食べ進めに連れ溶け込むのと鶏油が減っていくからだと思います
これはこれで食べ進めの味変
最初から最後まで味が変わらない「麺匠独眼流の醤油らぁ麺」も素晴らしいですが、この最後の方になると違った表情を魅せてくる「らぁめんサンドの鶏そば~生醤油の香り~」も素晴らしいです

恐縮ながら比べると
生醤油のキレ感は「独眼流」の方が強い感じがしました
そして「独眼流」は麺が明らかに「らぁめんサンド」と違うからだと思いますが「独眼流」の啜りは「和」を感じさせます(鶏油が出来立ての夜の醤油らぁ麺は一変、攻撃的になります)
加水率も切り刃も一緒の両雄ですが、麺肌のツルツル感は「らぁめんサンド」の方が明らかに強いです
なので、啜り心地の良さは「らぁめんサンド」の方が上と個人的には感じました
「独眼流」の麺肌はもっと優しい感じです
鶏が伸びやかで切れる事のない余韻を食事中保ち続けるのは両雄一緒です
ただより醤油と鶏のバランス感が強く相対的旨味を出し芳醇と感じるのは「らぁめんサンド」です
「独眼流」は鶏の上に醤油ダレのキレが強く乗っかってきてカエシ食らってる〜鶏食らってる〜的にそれぞれ素材が相乗してくる感じです
この両雄のような高次元レベルになると細かい部分に評価の違いはなく、そのお店の特色となりますね
なので「らぁめんサンドの鶏そば〜生醤油の香り〜」と「麺匠独眼流の醤油らぁ麺」は同点数です

いやいやいや
美味しかったのは当然勿論ですが
極極極極極美しい「鶏そば」

ごちそうさまでした